2021年3月18日
曲のdemoを作り続け,それをレーベルに送り続ける日々
すでに送ったレーベルは両の手どころか足まで使っても足りない域に達してきた。
どれだけ知人友人が言ってくれようとも,海を隔てた先にいる言葉の通じないプロフェッショナルからの言葉は客観的で正確で,時折無慈悲である。
何度も何度も断りの連絡を受け取り続けていると,いったい自分がなんのために音楽を作り続けているのかも不分明になってくる。
自分に時折問いかけては見るものの,特にこれといった理由はなく,ただ「止める理由がない」といった消極的なものしか見つからん。
やはり何かを作り続けるという仕事を職業でもプライベートでも続けているせいか,常にその分自己と向き合い続けなければならず
その繰り返しで自分の輪郭を確かめている部分がかなり多いのだが
結局は,自分はそんな自己を見つめなおしたりだとか作品を作って自己表現だとか
そんなものを求めているのではなく
賞味期限のない「人とのつながり」といったものを追い求めているところが本音なのだろうと思う。
年月がどれだけ…とまでは言わんが,まあ50年ぐらいは続くような関係性とかを自分が確信できるのなら,こんな生活なんか今すぐにやめていいのだ。
けどそんな確証なんざないから,もしいつか他人にあったときに名刺として自分を紹介できるような,そんなものがあればいいなと思ってシコシコ創作してるのである。
だけれども,実はこれは内緒なんですけど
本当は人と心から繋がるような親密な関係を結ぶためには
お金と労力をふんだんに使った名刺なんか一切必要がなく
必要なのは相手の手を直接握るというちょっとした勇気と覚悟です。
この小咄の笑いどころは
それに気づいているのに,部屋で一人名刺を作り続けている男がこれを独白しているという点ですかね。