2021年4月20日

ビンチョウマグロの刺身をノンアルコールビールでいただきながら,風呂上りにカロリーゼロのコーラを飲んでると,俺の周りには形だけ整えた模造品ばかりが溢れかえってしまってて,そんな見せかけの満足にずっと自分が養われてしまってるような,そんな感覚を覚えちまうよ。

 

踊る大捜査線の映画の3を観たわよ。

 

 

なんか俺1回3を見た覚えがあるんだけど,どんなストーリーだったか全く忘れてたんだよな。

 

見直してみて,わかったわ。マジでつまらんかったからや。

 

いや~!ホンマにつまらん!ナニコレ???

厳しい……。なんか面白くなりそうな要素とか結構あるのに……。

 

せめて事件を複数起こしてモジュラー型にするとか,そういう何番煎じでもいいけどそういうことをやってみたらちょっと変わったんじゃないか?

 

あとさぁ,なんつうかキャラクターの魅力こそが踊る大捜査線の魅力だったと俺は思うわけよ。

 

それをさ,なんかすみれさんが病気で死ぬかもしれない青島に向かって「死ぬのが何よ!私の拳銃で人が殺されたのよ!犯人捕まえなさいよ!」って言ってて,おいおいおい重病抱えてる同僚に向かってよくもまぁ…となってしまった。普通,気にするなこっちでなんとかやるから,お前は一刻も早く病院に行けとか言ってやるのが人情じゃねえの???それとも俺の方が人情をわかってない??俺は人の心をわかってあげられてないんでしょうか????

 

なんかやってることもさ,全体的に子供だましっていうか……なんつうか,もう言い出したらきりがないのよ!!

 

あとさ,真犯人のやってることもさ,「ここで私は死にたい」みたいな……いや,どうでもええけど,マジで人様に迷惑かけるような死に方すんなや!迷惑やから!!!ってなったわ。

 

たとえばさ,その~……映画のセブンみたいにさ,犯人が死ぬことによって論理が完成するみたいな,そんな感じにしたらよかったのに「私がここで死ぬことによって,私は救済者として称えられる」……。ホンマか!?!?!「なんか変な奴がおる!!」で終わらん???

 

そのさ,セブンだとさ,一人の狂人のやったことだとは言え,7つの大罪が完成してしまったことによって,神からのメッセージを,堕落した人間への贖罪が預言者によってなされてしまったということが否定できないようになってしまったっていうことが犯人のミソなんじゃない? 一人の狂人が起こしたことではあるけど,この狂人を生み出したのが神であるなら(というかこの世界を生み出しているのが神なのならば),7つの大罪が完成してしまったことが,この世に神はおらずどれだけ堕落しようともそれを裁く者はいないということの反証として成立してしまったことがミソなんであって

 

今回の踊るの真犯人にはそのバックボーンが全くないから「なんか変な人がいろんな人に迷惑をかけたうえ自殺しました」ということ以上のメッセージが無くなってる。そら一部にはカルト的な人気は誇るかもしれんけど,それは一部であって,関係ない人たちには「俺らには私らには関係ない話ですわ」で終わってしまうじゃないっすか。お前らも関係あるねんぞということを示さなあかんのですよ。

 

けど,やっぱり思うのは,この映画のストーリーなんかどうとでもなるというか,正直踊るを楽しんでみてるのは,青島とかすみれさんとか室井さんとか,そういったキャラクターの活き活きとした姿を楽しんでるのに

 

なんか,「青島っぽくない」とか「すみれさんっぽくない」っていったような,そのキャラクターっぽくない行動をいっぱいしちゃってるのがやっぱり楽しめなかった理由だよ。

 

なんか全体的に「この人こんなキャラクターじゃない」っていうのが多くて,そんな,姿形は一緒だけど中身が違うような,そんな感じをキャラクターから受けたというか,そこがやっぱり楽しめなかった理由としてあるんじゃない??

 

わかんねえよ,そんなの。俺みたいな模造品に養われてる奴に,結局そんなことわかるわけねえべや。