2021年4月21日

踊る大捜査線の映画FINALを観たわよ。

 

俺,毎日バカみたいに映画ばっかり見てる奴だと思われてないかな。

 

勘違いしないでください。俺は毎日バカみたいに映画ばっかり見てません。ちゃんと働いて,確定申告もして,税金だって払ってます。今まで警察に厄介になるようなこともしてないですし,これからもするつもりはありません。大阪の,酔っ払いが多いこの街で,大変慎ましく生きています。

 

この映画もねぇ~,そんなに面白くねえんだな,これが。

 

いや~,現在の事件と6年前の事件が関連してるってところまではいいんすけど……

 

その関連の仕方が…浅い。なんつうか,観る前からそのこと分かってたぜ。みたいな気分になってくる。

 

どうして6年前の事件の再現を警察がやることが正義の証明になるのかがわからん。

 

あと,Wikiで見たんすけど,脚本が出来上がるのが遅かったせいか,特にVFXにめちゃくちゃCG感が強くて笑った。ターミネーター1みたいなCGなんだもん。

 

あとやってることがまたキャラクターと合ってない。真下君ってそんなに無責任な人だったっけ?青島が間違って経費で買っちゃった大量のビールを隠そうとするところはまあいいよ。ミスなんだから,あとでなんとかして辻褄合わせたらどうにかなるところでもある。

 

けどさ,上に言われたからってマニュアル通りに捜査を打ち切ったりする人じゃないと思う。特に,このまま刑事課に任せれば絶対に犯人に気づかれて人質が殺されるって判ってるにもかかわらず,そのまま引き下がるような人ではないと思ったよ。真下はそんなにも薄情な人間ではない。

 

あと犯人もさ,結局これで何がしたかったんだ?上層部を失脚させ,警察組織を変えようとするのにこの事件は必要だった?最終的に上層部を失脚に追い詰めたのって,犯人の内部告発だったわけじゃん。

 

だとしたら,その内部告発の精度をどんどん高めるべきであって,ペラ紙一枚を報道各局に送るなんてもんじゃなく,たとえば今回のこの事件が一から十まで全部自作自演で,その事件に対する上層部の事なかれ主義をめちゃくちゃ露にしたところを全部音声や映像に残して報道各局のみならずYoutubeとかにもアップロードして……

 

っていうことならわかる。結局のところ,この犯人のやってる目的が

1.6年前の事件で無罪となった犯人への復讐

2.警察組織の事なかれ主義の改革

のこの2つなんだけど,この1と2はマジで対立するというか,2は正義感だったとしても1はめちゃんこ悪なので(真下への復讐で真下の息子を誘拐するのは悪です。真下の息子は関係ない),正直混乱する。

 

しかもこの2つの目的,だいたい序盤30分ぐらいでわかる。犯人も見当がついてる。最後まで見ても基本的に何の驚きがない。予定調和だ~~。

 

なんだこれ~。これが最後なのか~。

 

っていう感じで結構そのクオリティの下がりっぷりに驚いたんだけど,なんでこんなことになったのかっていうことに結構関心がいっちゃうね。

 

っていうのは,脚本書くにしろ何にしろ,一度鍛えた技術はそう簡単に落ちたりしない。たいていの技術というのは大なり小なり,全くなくなるなんてことはないよ。

 

そんな脚本家や監督がなんでこんなに迷走したのか。1と2では曲がりなりにもちゃんとできていた脚本がなんでここまで駄作へと落ちるのか。何作も書いてたら,そらよくできた作品もあれば,これはそこまでではないなというのも出てくる。けどあかんわこら,というのはそうなかなか出てこない。

 

脚本については監督と脚本家がかなり大きな主導権を握ってると思うんだけど,2の公開の2003年から3の公開の2010年まで本広監督と君塚脚本家の仕事観てみると

 

本広監督は「サマータイムマシンブルース(2005年)」,「UDON(2006年)」とかなり個人的には好きな映画を撮ってる。

 

君塚脚本家は…正直この間の作品だと「タイムマシンはドラム式(2007年)」しか観たことないけど,この作品は確かに踊るの3っぽさがあった。なんというか,つまらなかった。

 

じゃあ単純に君塚脚本家のスランプなんだろうか。わからん。ただこの間に君塚脚本家は「監督をしたい」って言って監督業に手を出してる。それが何かしらの影響を与えているのかな……わからん!!

 

けど面白かったものが面白くなくなるのは,面白くなかったものが面白くなるのと同じように何かしらの理由が絶対にあるので,なんで踊るの映画シリーズ後半が面白くなくなったのか……その仮説をこれから時々考えたりしたいなって思いました。

 

おしまい。