20210706

「チェイサー」観たわよ。

 

あ~,マジで胸糞悪い。

 

なんか普通に怖かった。観てるときは別に「怖い!」とか感じなかったんだけど,観終わって夜寝てるときに夢に出てきて寝つきが悪かった。

 

けどすげぇ面白かったよ。この監督の作品は3作しかないし,残りの2作もぜひともみたい。

 

韓国映画マジでおもしれぇ~。こんなこと言ったらマジでめちゃくちゃ怒られる可能性も覚悟してるんだけど,政治的な混乱や治安が安定していない状況である方が素晴らしい映画が生まれてきてるような感じがしてならん。マジで怒られそうなこと言うのやめろ。ごめんなさい,許して。

 

けどWikipedia見たら,直近の大統領みんな退任したあとに逮捕されたり政治的に追い詰められてたりして,流石にどうなってんねんとは思った。

 

ただこれもマジで好みだからなぁ~。邦画だと,俺は「凶悪」とか「冷たい熱帯魚」とか「ヒメアノール」とかが好きだけど,普通に恋愛映画が大好きな人とかいるし,そういう人にとってはここら辺の韓国映画はただただ苦痛なだけだと思う。

 

現実での状況がフィクションに与えている影響ってやっぱあるんだろうなぁって思ったのが「鬼滅の刃」や「チェンソーマン」読んだときに「あぁこの国の若者は本当に貧しくなってしまったんだな」って思った。ああいうのって今まで青年誌で扱うようなそんなテーマだったと思うんすよ。少なくとも「この旅の最後には何かしらの秘宝がある」っていうのを無批判に信じられたような少年時代が昔はあったはずなんすよ。今の少年少女は,「自分たちは貧しい」というのを前提として受け入れていて「普通で平凡な生活を送るには血反吐を吐くような努力をしなければならない」と感じている。

 

そうなると,やっぱり経済的な基盤というところ焦点が当たりがちだし,拝金主義的な思想に近づく人たちも多くなったりするのもしゃあないんやろなとは思いつつ。ただ社会が不安定だから,そこから生まれる物語の質は上がってるような気がしますわ。夢や希望はないけど,血と涙が通った物語は多く生まれてるような気がする。

 

そういや「チェイサー」って藤本タツキ先生が好きっつってたんだよな。「前半と後半で物語が違ってて…」みたいなことを言ってたと思うんだけど,俺は結構一貫した物語だなって思った。これは自分の基盤として一体何があるかっていったところが物語の見え方に影響を及ぼしてるように思えるね。俺はミステリーの畑だから物語を全体として一貫したものとして見てしまう感じがあるけど,ホラーの畑の人は結構物語を細かいカットの連続として見てるのかなって思った。

 

映画はマジでおもろいな。映画作ろうって思ったことはマジで一回もないし,これからもないと思うけど,だからこそドップリ浸かれて熱中してしまうわ。