Twitter、あるいは映画の魔#2【キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002)】

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (字幕版)

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

昔,まだ僕が子どもだった頃(そういう時もあったのです)茄子,牡蠣,椎茸が苦手で食べられなかった。

 

親父やオカンはその度に僕をなじりながら「こんなにおいしいのに」「お母さんやお父さんは好き嫌い,ないよ」と言いながら茄子の揚げびたしを口に運んでいた。

 

そんなことをずっと聞かされてたからしれないんだけど,今は僕も好き嫌いが全く無くなって,昔嫌いだった茄子の揚げびたしを酒のあてにしながら発泡酒を片手に映画を見るようになった。

 

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』ってこの映画,すでにパッケージの時点でセンスがあるっていうか面白そうに見えません?

 

けど僕が一番「ふわぁ~,かっけぇ~~」って思ったのは映画の最初のクレジットロール

 

ピクトグラムを用いたようなアニメーションが流れるんですけど,色彩感とかも含めて凄いよかった。

 

監督もめちゃくちゃこだわったんだろうな~,このクレジットロール。っていうか監督スティーブン・スピルバーグなんだ。へぇ~。

 

けど多分このクレジットロール気に入りすぎたのか,正直このクレジットロールみるだけで映画のストーリーの8割がたが分かってしまう。まあそれでもおもろいけど。

 

飛行機のパイロットや医者,弁護士といった職業に扮して世界各地で小切手偽造詐欺を行っていたディカプリオ演じるフランク・W・アバグネイル・Jrと,トムハンクス演じるFBI捜査官のカール・ハンラティの犯罪ドラマ。

幸福で裕福な家庭にて育てられていたフランクは,しかし父親の脱税容疑によって資産をすべて取り押さえられ,父と母は離婚。引き裂かれる家族の姿に耐え切れなかったフランクはとっさに家出をしてしまう。父から誕生日プレゼントとしてもらった小切手を使ってなんとか糊口をしのぐも,そのうち小切手も不渡りになる。

どうにか暮らしてゆくためにフランクは小切手を偽装する。それが世紀の天才詐欺師がうまれようとする瞬間だった。

 

 

僕は結構人に嘘をつくと体がムズムズしてきたり,辻褄を合わせようとするときにハラハラしてきてしまうので,あまり嘘をつかない……というかつけないタイプなんですけど

 

主人公のフランクも嘘をつくときに結構ハラハラしている様が感じられてすごく良かった。「嘘ついてなんぼのもんじゃい」というか「は?それがどしたん?」みたいな感じの人だったら,面白いかもしれないけど共感はしなかっただろうな。

 

元々が両親の離婚という家族の絆が裂かれるといった悲劇に耐え切れなかったから逃げ出したような人間味のある主人公だから,嘘をつくことにも後ろめたさがあるし,そういった嘘で塗り固めた生活の中でも,そこで生まれた絆に縋り付こうとする姿は共感を覚える。

 

それでも,嘘をついているときにの彼の動揺は確かに彼の裏側を知っている僕たち視聴者からすれば手に取るようにわかるけれど,実際に登場人物のひとりとして彼の目の前に立ったら何の違和感も感じないと思うし,観客からの視点と登場人物からの視点とで見え方が異なるような難しい役どころを演じられるからディカプリオはやっぱり演技がうまいねってなった。

 

それにしても17歳か18歳が27歳だって言って医者の真似事したり,弁護士になったり,パイロットになったりってすごいな。これ実話ベースなんで,本当にこういったことしてたらしいんですよね。僕が17歳の時の姿って27歳に見える??? まあ最近子どもに「僕って何歳に見える?」って聞いたら「42歳」って真顔で答えられてめちゃくちゃ落ち込んだんですけど。

 

加えて,まだ十代の子供が当時で400万ドル以上を詐欺で儲けてたっていうのもすごい。今で言うと10億円以上ですよ。やべ~。

 

けどこういうのを見ると,自分の身近にいる人たちももしかしたら自分を騙してるところがあるのかもしれないって,そう思いますわ。

 

この前,法事で実家に帰った時に,仕出しの弁当が出たんですけど

 

親父が弁当に入ってた蕗を残してて,オカンが鶏の皮を残してるのを見た時に

 

「ああ!この人たちはなんでも食べられるんじゃないんだ!自分が食べれるものしか食卓に並べなかったんだ……」

 

って気づいて,えらく騙された感じがしたんです。