20200522
コロナ禍で,みなさんいかがお過ごしでしょうか。
僕は仕事がテレワークになったり,それ以前に仕事がなくなったりしました。
だからといってヒマになるかと言ったら,逆に忙しくなるばかりで,給料は減ったけれど夜眠る時間も満足に取れてるかと言うと微妙ですわ。
『働けど働けど猶わが生活らくにならざりぢっと手を見る』
そんな中でなんとか自分の仕事も進めて,さらにそのなかから余った時間で曲作ってます。
ていうか,何の説明もなしに貼った上のYouTubeのリンクなんですけど,PEACE MAKER!とFIRSTが最近発表した曲なんですけど
コロナ禍のことについて歌ってるみたいで
といっても何言ってるかちゃんとは分からないんですけど(けどCOVID-19とかWash your hands とかStay homeとかって言ってるのが分かる)
コロナを主題にしたハウスミュージックがもう出てるんだ~って思ってちょっとびっくりしましたね。
まあそんなことどうでもいいぐらい,めちゃくちゃいいBass Houseだったんですけど
コロナ……
一体どうなるんだろうな。
最近面白いウェブサイト見つけて
ミシェル・ウェルベックがコロナ禍についての文章を発表したのを,ありがたいことに邦訳してくださった方がいて,僕も読むことができたんですけど
まあ僕はウェルベックの思想には結構「何となくイヤだな」って思うところが少なくなかったりするし(なんか攻撃的だったりするところとか。イスラム教を表立って批判してた時期とか結構いやだなって思ってた)そもそもウェルベックの言ってることを十全に僕が理解できてるとも思わないんですけども
「退屈なものだ」とウェルベックは言うけれど,それが「コロナによって現在までの価値観が転覆されるわけではない」という意味であれば,確かにそうな気もする。
結局のところ,僕がこのコロナ禍において感じているのは「思っていた通りのことが起こっている」ということに尽きる気がする。
経済的な苦しみを抱えているのはやはり中小企業や自営業,フリーター,勤労学生などだけれど,彼らのいざというときの保障がないことはコロナ以前にも分かり切っていたことだったと思う(うろ覚えで申し訳ないのだけれど,2019年の参議院選挙でフリーランスの保障について公約で言及していたのは確か社民党だけだったような気がする。違うかったらごめんなさい)
小売りでも飲食でもそうだと思うのだが,それなりに企業形態が大きかったりクラウドファンディングに期待できるようなメジャー店は場合は生き残れるかもしれない。けど,そうでないところは難しいところも多いと思う。
ライブハウスやクラブも,全部のところがクラウドファンディングできるわけではないだろうし,Twitchとかで配信できる環境がそろっているわけでもないと思う。それに僕もお世話になったからこそあえて言うんですけど,地方の小さなライブハウスって別にプロが出るわけじゃないから,配信して誰が見てくれる?みたいな感じがあるような気もするし。
けどああいうところが潰れると,まず最初の足掛かりとしての舞台が全く無くなってしまう(だれもが最初から有名なライブハウスやクラブで演奏できるわけじゃない。むしろ,いろんなライブハウスやクラブで経験を積ませてもらって段々とキャリアを積み重ねるものだと思う)そうなると,誰からもプロデュースされるわけでもないバンドやDJたちはいったいどこでキャリアを積むんだ?
そうなると残るのは以前から大きな資本を持っているところだったり,以前からポピュラーな文化だったりなのかもしれない。
結局何が言いたいのかと言うと,コロナは社会に対してかなりのダメージを与えたが,それは今までの価値観を転覆させるようなものではなく,むしろ以前は水面下で目立っていなかった問題が浮き彫りになったり,将来的に起こりうる問題が促進されただけではないのかという懸念なんです。
怖いのが,コロナが終わった後が焼け野原だったらともかく,少数のマイノリティはすべて姿を消して残っているのは以前から権力を保持していたシステムだけだったみたいな,そんな多様性が棄却され格差だけが促進されたポピュリズムだったらと思うと,結構イヤだなって思う。
奇しくも内田樹先生が,コロナ以後の政治体制についての予見を答えていたのを読んで,余計そう思ったところはある。
いつか遠くない未来で,まるで汚れた貧困区のなかにルネサンス・センターが煌めきながら立っているデトロイトのような風景が世界的に広がっていかないかという恐れだけはある。
ただ僕はめちゃくちゃ予想が当たらない人間なので(今日も麻雀して先にリーチしてるのに,追っかけリーチに先にツモられたりあまつさえ振り込んだりしたし,筋を見て「安パイっぽいな…」って思ってた牌ぜんぶ当たった。マ~ジで二度とやるかこんなゲームって思った)外れる確率の方が今のところ高い。
それに,もしそうなったとして,そんな環境の中からデトロイト・テクノは生まれてきたんだから,それでもなんとかやってゆけるさという希望もなくはないのだから。