2020年11月7日

前の日徹夜してた割には普通に午前中に目が覚めた。

 

何してたっけ

 

午前中のうちには起きれてたことは覚えてるんやけど

 

そのあと何したかはわからない

 

仕事…

 

してたんやろうな……

 

音楽作ったりもした。

 

先週,師匠に言われた

 

「オリジナリティを突き詰めるべき」という言葉を

 

ここ1週間ぐらいずっと考えてた。

 

オリジナリティ……

 

オリジナリティね……

 

過去にヒントがあるかと思って振り返ってみてもいまいちピンとこない

 

記憶の押し入れの中には,メンコ代わりにしてた牛乳瓶のふたや埃まみれの眼鏡拭き,飲みきれなかった風邪薬とか,そんなのばっかりだぜ。

 

そういえば音楽においても俺はいまいちハネたりしなかった。

 

メタルはギターソロが弾かれへん

 

ロックはコードが弾かれへん

 

ポップスは音楽理論分からへん

 

よくもまぁ……

 

そういや中学生の頃,ホンマにお笑い芸人になりたいって思ったときに

 

オカンに「俺,芸人になりたい」つったら

 

「アンタがなれるわけないやろが」って,年に2回半ぐらいしかしない真剣な顔で言われたの思い出すわ。

 

オカンは俺のどこを見て「芸人にはなれないけど,正社員にはなれるだろう」って思ったんやろ。

 

今の俺は芸人でもなく,正社員でもない,責任もないが,人を笑わせることも満足にできない,シラフなのに酔ってて,常時ちょけてるが人の言うことを真正面から受け止めてしまうような素直さだけが残り,肝臓の数値が毎年悪く,一昨日の記憶も無いような

 

そんな大人になってる。

 

俺はずっと

 

人が「晴」って書いてるときに「雨」って書いてオリジナリティを主張してきた人間ですけん

 

みんなと同じ「晴」の字を,どういった筆跡で描いたらええか,どうやってこの情熱を伝えようと表現したらええかとか

 

そういったことを避けて生きてきた

 

そのツケが今来ている。

 

もはや俺は記号的な差異以外でのオリジナリティしか考えられへん

 

っていうか俺もう馬鹿やし阿保やしビール2本空けてるしで

 

まともな思考なんかできてへんのやけど

 

「BはAではない」

 

という形でしかオリジナリティって表現できんのか?

 

「君のAは素晴らしいね」

 

言われてみてえもんだ。

 

いや,言われてる気はするが

 

なんつうか

 

おれはいまだにそうやって人から褒められたときの対応がへたくそすぎる。

 

マジでその時はいっつも

 

自分が5歳児になった気がしてたまらん。

 

大人の膝の裏に隠れたくなってくる。

 

みんなはどう??

 

ほんでその後……

 

たしかその日の夜は,師匠と初めて会う方と飯食いに行って

 

ふたりとも海外によく行ってて,その話聞いて

 

「あ~,海外な~行かなあかんな~あかんよな~」(←もちろん行かなあかん訳はない。むしろ「行かねば」という義務感以外のモチベーションがこいつにはない)(うるさい,いいから黙ってろ)(お前が黙ってろ,なんだこの文章。端的に言うがくたばってほしい)(クソが,ママとファックしてやがれ)(おめえこそだ,ソープ生まれのチンカスやろうが)と思ったり。

 

海外……。

 

出不精なもので……

 

誘われたら行くんだが……

 

ひとりで海外か……

 

いまいちハネへんな……

 

こうやって人間は己の想像力を翼ではなく檻として捉えるようになり,年を取り,死んでゆく。

 

ぐぅ……

 

帰って絵を描いたりした。

 

俺はイラストや音楽を,どこかに行くためのパスポートとして考えているのかもしれない

 

しかし,パスポートだけあっても人は動こうとはしない

 

そして,はぁ,加えてサイコ~なまでに腐りきってやがるのは

 

俺という国はほかの国に対して開かれていないのかもしれない

 

色んな言葉にいらない関税がついてよくわかんなくなってやがるぜ

 

そして,んなぁ,もっとサイコ~なのは

 

俺の国には鉄じゃなくて真綿のカーテンがひかれてる。

 

それは温かく柔らかく,そして厚いから

 

人の言葉はいつも,なんだかくぐもって聞こえちまうんだ。